GMSで自分の視野を広げ、この先のキャリアを見つめ直すきっかけとなった
食品事業本部 調味料事業部 クッキングソースグループ 池田 徹真さん
受講科目:アカウンティング基礎(2022)
食品事業本部 食品研究所 技術開発センター 加工食品ソリューショングループ長 薄衣 広悌さん
受講科目:マーケティング・経営戦略基礎(2022)、アカウンティング基礎(2022)、マーケティング(2022)、組織行動とリーダーシップ(2022)、アカウンティング(2022)
※部署・役職はインタビュー当時
- 食品/農林/水産
- マーケティング・経営戦略基礎
- アカウンティング基礎
- 組織行動とリーダーシップ
- マーケティング
- アカウンティング
- リアル
- オンライン
- アカウンティングに関する 知識をOJTで身に着けてきたが、局所的な理解でとどまっていた
- キャリアの成長を通じて、マーケティング、経営戦略、リーダーシップなどの必要性を感じるようになった
- アカウンティングのクラスでは数字の分析にとどまらず、顧客価値の最大化について深く考える機会が得られた
- さまざまなバックグラウンドをもつ仲間や講師と価値観をぶつけ合い、学びの理解を深めた
- 体系的にアカウンティングを理解したことで、採算計画や財務諸表を読む精度が上がった
- 複数の領域を学んだことで、ビジネスで押さえておくべきポイントを見出す精度が上がった
背景と課題
マーケティング部門で、製品企画や採算計画の立案を実行
池田さん:
調味料事業部で、国内製品のマーケティングを担当しています。製品企画や採算計画の立案、マーケティング施策の実行が主な業務内容です。
研究所のグループ長として、部門の戦略や方針策定をリード
薄衣さん:
食品研究所で研究開発を行っています。今年からはグループ長として部門の戦略や方針を策定し、メンバー20名のマネジメントも行っています。以前はフランスに5年ほど駐在し、欧州や北アフリカ地域を担当していました。
OJTでアカウンティングを身に着けたが、局所的な理解にとどまっていた
池田さん:
アカウンティングを体系立てて理解できていない課題感がありました。
私はマーケティング担当として採算計画に関する業務があるのですが、アカウンティングにまつわる知識はこれまでOJTで身につけてきました。最低限の理解はあるものの、局所的な理解で止まっているとも感じていたんです。たとえば、損益計算書(P/L)は理解していても、貸借対照表(B/S)やキャッシュフローとの繋がりは見えていなかったので、体系的に学びたいと考えていました。
バリューチェーン全体を理解していないと、お客様が求める商品開発は出来ない
薄衣さん:
私は、10年ほど前の30代の頃から、GMSのようなビジネススクールで学びたいと思っていました。30代前半、とある事業の技術テーマのリーダーを務めた際、バリューチェーン全体を理解していないとお客様が求める商品開発に結びつかないと実感したことがきっかけでした。マーケティングや経営戦略の分野は、私の専門である研究と実は近い位置付けにあると感じた経験でしたね。
そして、海外赴任先では自分ですべての物事を進めなければならず、大変苦労しました。その一方で、ビジネススキルは言語が違っても万国共通だと感じる場面もあり、グローバルビジネスに携わるうえで自分の知見を広げたいとより一層感じながら帰任しました。この時期はオンラインで学ぶ手段も今ほど浸透していませんでしたから、学ぶタイミングを逃したまま、悶々とした気持ちを抱えていましたね。
その後は管理職として、中長期の時間軸で方針を考えるという経営に近い立場になり、部下のマネジメントもするようになりました。さらには社外の企業やスタートアップの方々との共同開発や投資についても考える機会も出てきて、マーケティングや経営戦略に加え、リーダーシップやアカウンティングへの必要性も感じるようになっていました。
事前準備と受講内容
自分の課題感にマッチする科目があったため、GMSの受講を決断
池田さん:
社内研修の選択肢に、グロービス・マネジメント・スクール(GMS)があったことがきっかけでした。アカウンティングを体系的に理解したいという自分の課題感にマッチする「アカウンティング基礎」の科目があり、受講したいと思ったのです。
さらに「アカウンティング基礎」を受講した先輩から、事業部門のマーケターとして体系的に理解するにはよい講座だと勧めてもらったことにも背中を押されました。社外の人と接点がつくれる点でもよい機会だと思い、受講を決めました。
薄衣さん:
私も社内研修のアフターフォローがきっかけでした。GMS受講を通して自分の視野を広げ、この先の職業人生をどう歩みたいかを見つめ直す機会になればと思いました。海外赴任した際、技術の世界だけを見ていては、今後の成長は止まるだろうとも感じていたのです。
これまでも書籍や動画でビジネス知識を得てはいたのですが、実践できるレベルのスキルをつけるには物足りなさがありました。GMSであれば、さまざまな企業のケースを通して実践力をつけられる期待がありました。
業務やプライベートとの両立は、振替制度の活用、学習スケジュールの調整で達成できた
池田さん:
業務と両立しながら3か月間通いきれるか、スケジュール面での不安はありました。
しかしながらGMSは振替制度があるので、業務上クラスに参加することが難しくなった日は別クラスへ振り替えて、欠席することなく受講ができました。
また、私は意思が強くはないと自覚しているので、負荷は大きくても、2週間に1回のクラスがスケジューリングされている環境で、仲間と議論しながら学ぶスタイルがいいだろうとも思っていました。クラスの前週の決まった曜日を学習時間にするとあらかじめ決めてしまうことで、予習、クラス、復習のペースを作れたと思います。
薄衣さん:
私もスケジュール面での懸念がありました。プライベートとの時間的な両立です。まだ子供が小さいこともあり、受講中でも休日は家族との時間を割けるようにしたいと考えていました。
そのため、私の場合は、平日に細切れでもいいので学習時間を捻出するようにしました。朝の時間や通勤中にケースを読んだり考えを頭でまとめたりして、30分でも時間が作れたときには文章にまとめ、子供が寝た夜の時間帯に提出用のアサインメントを作成する、といった形です。コツコツと予習や復習を進めることで、自分自身が安心できたように思います。
また、私は技術者なので、マーケティングやアカウンティングの実務経験がすでにある人たちと学ぶことへの不安はありましたね。ですが、実際にクラスが始まってみると、得意分野は人それぞれだと感じられました。たとえば私は、財務諸表の数字を計算して分析することへの理解は比較的早かったように思います。誰もが得意・不得意分野があるのだから、しっかり学べば大丈夫だと思えたことを覚えています。
アカウンティングのクラスは数字の分析にとどまらない。事業全体の大局 の捉え方を学べた
池田さん:
講師から伝えてもらった、アカウンティングへ向き合う姿勢が深く印象に残っています。テクニカルなことを多く学ぶものと思っていたのですが、アカウンティングは顧客価値を最大化すること、そして事業活動全体を理解するツールとして重要であると教えていただいたのです。
私自身はマーケターとして、製品を通じて顧客価値を最大化する仕事をしています。アカウンティングにも通じるものがあるのだと納得感が深まりましたし、アカウンティングを知らなければ業務スキルとしては不十分なのだとも感じました。その後も毎回のクラスで、単なる数字の分析にとどまらず、大局をどう捉えるかという視点からの問いかけを多くいただいたことに鍛えられました。
また、講師や仲間とディスカッションをしながら学んだからこそ、理解が深まったと思います。毎回、テキストで予習すると理解できた気持ちになるのですが、いざディスカッションをしてみると、想像より理解していない自分に気づくことの連続でした。ディスカッションによって自分が理解できていること、できていないことに気づかされ、仲間の意見からの新たな発見も多くありました。
オンラインクラスは、講師と受講生の距離感が近いように感じた
薄衣さん:
私もディスカッションが有意義でした。講師や、さまざまなバックグラウンドをもつ仲間たちと価値観をぶつけ合うことが毎回楽しかったですね。理論を実践するうえでの難しさを講師から聞くのも刺激的で、科目の範囲を超えた知識や経験も引き出したいと思いながら受講していました。
そして、学んだ感覚だけで終わらないよう、学んだことは即実践することを心がけました。言葉にしてみることは重要ですね。理解していないところが如実にわかります。覚えているうちに実践すると、記憶に定着するというメリットもありました。
また、私はオンラインクラスも経験しました。オンラインは発言しにくいのかと思っていたのですが、講師の方がうまくバランスを取って指名してくださいました。クラスのメンバーも積極的に発言していて、オンラインの方が講師と受講生の距離感が近いようにも感じましたね。Zoomのブレイクアウトルームの機能でグループワークのたびにメンバーを変えることもできるので、多くの人とディスカッションできたのもよかった点です。
成果と今後の展望
アカウンティングの知識を活かし、ディスカッションでの意見の幅が広がった
池田さん:
体系的にアカウンティングを理解したことで、採算計画や財務諸表を読む精度が上がったと感じています。また、他の担当者とのディスカッションでも意見を出せる幅が広がった実感もあります。
これはGMSという場で多くの人と一緒に学んだことで、単に知識がつくだけでなく、意味合いがわかり、人に説明する力が磨かれたからだと実感しています。アカウンティングはまさに「説明する」という意味がありますが、自分の意見を今まで以上にしっかり説明できるようになりました。
複数の領域を学んだことで、ビジネスで押さえておくべきポイントを見出せるようになったた
薄衣さん:
私はいくつかの科目を受講し、その共通点が見えるようになりました。マーケティングでもアカウンティングでも、外部と内部のギャップを見出し、ターゲットを見て、戦略を考える点では類似していると感じます。複数の領域を学んだことで、ビジネスで押さえておくべきポイントを見出せたことは大きな収穫であり、今後の自信にもなりました。
40代であってもまだ学べる、成長できるということを見せていきたい
池田さん:
ファイナンスの分野に興味を持っています。ファイナンスは今の業務では接点がなく、だからこそ学ぶ機会を意図的に作ることで、自分が目指すキャリアに近づけると考えているところです。また、先にファイナンスを受講した先輩からも、アカウンティングとあわせて受講すると視野が広がるとアドバイスをいただきました。
薄衣さん:
GMSでさらに「経営戦略」を学ぶ予定です。今年は腰を据えて学ぶ年にしました。管理職とは、ある意味で怖い仕事でもあると思うんです。というのは、部下がいる中で、会社としての大きな判断が求められるからです。自分の判断によって誰かを幸せにできたり、逆に不幸にさせてしまったりすることがあるという責任を日々感じています。
自分自身が視野を広げていくことで、よりよい判断、よりよいリーダーシップが取れるようになっていきたいと思います。40代でもまだ学べる、成長できるんだということも見せていきたいですね。