京浜急行電鉄株式会社

3科目受講で全社視点と戦略思考を強化。人財戦略部長として人的資本経営の推進に活用

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京浜急行電鉄株式会社 人財戦略部長 大田 仁史さん

受講科目:クリティカル・シンキング(2018)、ファイナンス(2021)、経営戦略(2024)

※部署・役職はインタビュー当時

まとめ
業種
  • インフラ/物流
  • サービス業
受講科目
  • クリティカル・シンキング
  • 経営戦略
  • ファイナンス
受講形態
  • リアル
  • オンライン
課題
  • キャリアを重ねるにつれ、全社視点で物事を捉える必要性を感じるようになった
  • (前部門に所属時)人事部門からGMS受講の話があり、自分の課題感を払拭する良い機会だと思い受講を決意
受講内容
  • GMSで3科目(クリティカル・シンキング、ファイナンス、経営戦略)を受講し、物事の全体像を捉える重要性を強く感じた
  • 多様な業種・職種のメンバーと議論しながら学ぶことで、自分の世界が大きく広がった
  • オンラインクラスの受講者仲間とクラス終了後に対面で懇親会を開くなど、交流が続いている
成果
  • 普遍的な考え方を学び、自社の個性に気づくとともに、ストーリーで事業を捉える重要性を感じた
  • GMSでの学びを人財戦略に生かし、社員のエンゲージメント向上や、人的資本開示への対応を進める
  • 経営視点を養い自分のミッションを果たすために、GESのエグゼクティブ・マネジメント・プログラム(EMP)を受講予定

背景と課題

人財戦略部の部長として人事機能全般を担当

現在、人財戦略部の部長を務めています。人事制度や労務、処遇、採用、教育・研修、安全衛生、福利厚生、人権などの機能を担っています。数年前までは人事部という名称でしたが、人と組織を総合的かつ戦略的に考えるミッションを部門名にも反映しようという考えのもと、人財戦略部となりました。

私のこれまでのキャリアとしては、鉄道部門、人事部門、そして経営戦略部門を経験してきました。その後、2024年度より人財戦略部長として人事業務全般を担当しています。

キャリアを重ねるにつれ、全社視点を養う必要性を痛感

当社は経営職(課長職~部長職相当)の戦略的経営力の向上を目的として、グロービスへの派遣制度があります。課長職では「クリティカル・シンキング」、部長職への昇格前には「経営戦略」、さらに部長職昇格後は「EMP」の受講を必須としております。

クリティカル・シンキングを受講した2018年は、鉄道部門の課長職でした。当時は、鉄道という一つの事業に限らず、会社全体の経営を視野に入れ、物事をより広い視点で捉える必要性を感じていました。


そのきっかけは、全社会議で自部門の説明をする準備に関わったり、経営部門と意見交換をしたりする立場になったことでした。全社視点で見た際に、鉄道部門の考えはどのように経営に反映され、どういった意思決定がされるのかを考えなければ、最善の仕事はできないと思ったのです。


そのタイミングで人事部門からグロービス・マネジメント・スクール(GMS)で学ぶ話があり、会社が用意するこの機会を生かして自分の課題感を解決したいと考えました。


次に経営戦略部門の課長就任後、経営戦略の業務では必要なスキルだと感じていた「ファイナンス」を、会社が指定をする必修研修ではなかったのですが、上長と相談のうえ2021年に受講しました。私自身は会計や財務の業務経験がなく難易度が高いことはわかっていましたが、より幅広い知見やノウハウを習得、活用することができるチャンスと感じたため、GMSで学ぼうと決意しました。


続いて「経営戦略」を受講したのは、人財戦略部長に就いた2024年です。部門名の通り、人と組織を戦略的に考えるミッションを担うにあたり、戦略思考を養うことは必要だと思っていたので、前向きに受講できました。

事前準備と受講内容

受講した科目それぞれで予習・復習の大変さがあった

GMSでは3科目を受講しましたが、予習・復習の負荷を思い起こすと、それぞれの大変さがありました。


最初に受けた「クリティカル・シンキング」は、考えれば考えるほど、言葉に表現すればするほど考えが深まっていくので、「時間がいくらあっても足りない」という感覚になりましたね。「ファイナンス」は、基礎知識を自分で補いながら学習を進めたので、違う意味でのハードさがありました。そして「経営戦略」は、受講直前に経営戦略を担当していたため、自社特有の考え方とケースの内容を照らし合わせながら予習・復習を進めていたように思います。

さまざまな経験を持つ受講者同士で学び、自分の世界が広がった

受講した3科目に共通して得られた学びとしては、全体像を捉える重要性です。ケースで学ぶことを通して、限られた情報をあらゆる視点で解釈し、その背景まで考慮することで物事を前に進められる点も実感しました。

こうした考えに至ることができたのは、さまざまなバックグラウンドを持つ受講者仲間と一緒に学んだからだと思います。業種のみならず、職種によっても物事の捉え方は違うものですね。講師や受講者同士のディスカッションで、多様な考え方を自然と学べたことは大きな収穫でした。これは、京急という会社の中だけでは得られないものです。GMSは自分の世界を大きく広げてくれたと思っています。


オンラインクラスの受講者仲間と、今も交流が続く

「クリティカル・シンキング」は通学クラス、「ファイナンス」と「経営戦略」はオンラインクラスを選択しました。今でこそ当たり前になったオンラインですが、私が2021年にファイナンスを受講した際は、オンラインで議論しながら学ぶのは私自身にとっては、初めての経験でした。若干の不安があったものの、初回のクラスを終える頃には「オンラインでもしっかり学べるんだ」と実感できたことを覚えています。また、オンラインは通学時間がかからず、日本全国に受講者仲間ができるといった特有のメリットもありますね。

オンラインで学んだ経営戦略は、3か月のクラスが終わった後に対面で懇親会を開くなど、今でも交流が続いています。ずっと一緒に学んでいながら、ようやく初めて会えたというのは不思議な感覚ですね。今後の懇親会の話も出ており、嬉しく思っているところです。

成果と今後の展望

普遍的な考え方を学ぶことで、自社の個性が浮き彫りになった

各科目で印象に残っていることを振り返ると、「クリティカル・シンキング」は物事を考えるプロセスや、抜け漏れをなくす考え方が学びになりました。ビジネスにおいて、幅広い業務で役立つ思考の基礎を得られたと思います。

「ファイナンス」で学びが深かったのは、ファイナンスは数字だけでなく、事業全体のストーリーで捉えるということ。講師が紹介した、「数字なき物語も、物語なき数字も意味はない」という御手洗冨士夫キヤノンCEOの言葉は強く印象に残っています。経営は全ステークホルダーの立場を考えて戦略を立て、コミュニケーションを取っていくべきだという観点は、経営戦略の業務において大きく役立ちました。

「経営戦略」のクラスで感じたことは、普遍的な考え方を学んだからこそ、自社特有の部分が浮き彫りになった点です。経営戦略部門での業務内容を思い返し、足りなかった点やもう少し改善できた点などに後から気づくこともありました。学びながら、業務の振り返りをしている感覚がありましたね。


GMSで磨いた戦略思考で、人財戦略の各施策を前に進めたい

人財戦略部をリードするにあたり、外部環境をふまえて自社の経営課題や対応すべきことを捉える点で、経営戦略での学びが生かされています。経営戦略と人財戦略は、根本の考え方は同じですし、連動するものだと考えています。

近年は、経営における人財の位置付けが、組織と個人をいかに融合させるかが重要であるというように変わってきました。以前は会社の指示に従って社員が動く傾向が強かったように思いますが、最近は社員のエンゲージメントを高め、仕事への満足度が高い状態で働いてもらうことで企業価値を高めていく時代になりました。当社も、社員の働きがいを高めるための施策を行う必要があると考えているところです。


上場企業として、人的資本開示への対応も進めなければなりません。ただし開示すること自体は本質的な目的ではなく、今の状況の理由や背景を捉え、課題を見つけ、どのような方策をすすめるかが重要です。今はやるべきことが山積している状態ですが、一つひとつ前進していきたいと思います。


経営視点を養うために、グロービス・エグゼクティブ・スクールを受講予定

今後、部長職の必修研修であるグロービス・エグゼクティブ・スクール(GES)の「エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(EMP)」を受講し、現状のポジションだけでなく、経営者視点・社員視点などの幅広い視点を養いたいと考えます。

グロービスには多岐にわたる知見があります。経営者は、どのように物事を捉え、意思決定をするのか。それをどのように表現し、ステークホルダーへ伝えていくのか。部門の管理という意味合いでのマネジメントだけでなく、成果を出すために組織へどう働きかけていくべきか。こうした経営視点をGESでしっかり学び、自分のミッションを果たしていきたいと思います。

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