セミナー詳細

グロービス経営大学院大学開学記念講演 第一回 「創造」の部 

【開催日】2005年12月16日(金) 【会場】グロービス東京校/(同時中継)大阪校、名古屋校

「創造」の部 三木谷浩史氏〔楽天株式会社代表取締役会長兼社長〕

第一部:基調講演 三木谷浩史氏〔楽天株式会社代表取締役会長兼社長〕

第二部:記念対談 三木谷浩史氏〔楽天株式会社代表取締役会長兼社長〕堀 義人〔グロービス経営大学院 学長〕

「創造」の部 三木谷浩史氏〔楽天株式会社代表取締役会長兼社長〕

楽天三木谷pict1グロービスは、2006年4月に経営大学院大学を開学する認可を文部科学省より受領したことを受け、2005年12月16日と2006年1月11日の2回に分けて開学記念講演を行った。「創造」の部と題した第1回目の講演には、楽天株式会社代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏が登壇。楽天グループ成功の軌跡や、その途上、米国Harvard Business Schoolで得た知識や思考力をどのように活かしてきたかを力強い言葉で語った。師走の押し迫った時期の開催にも関わらず、グロービスの東京・大阪・名古屋校に、のべ270名を超える参加者が集まり、若きカリスマ経営者に熱い視線が注がれた。

MBA留学中に触れたアントレプレナーシップが起業のきっかけ

楽天三木谷pict2 三木谷氏はまず、楽天を起業するに至った精神的な背景に言及した。同氏は、一橋大学商学部を卒業後、1988年に日本興業銀行に入行。社内留学制度を活用して1991年より米国Harvard Business Schoolに学び、1993年にMBAを取得した。その後、1996年にコンサルティング会社のクリムゾングループ、1997年に楽天の前身となるエム・ディー・エムを設立。それから、わずか10年足らずで、時価総額1兆円を超える楽天グループを育て上げた。
三木谷氏が自らビジネスを興す原点となったのは、米国留学中に感じた「アントレプレナーシップ(起業家精神)」に対する社会的評価の高さだったという。「私がMBA留学していた1990年代前半の日本では、ベンチャー、アントレプレナーシップといった言葉はまだ一般的ではなく、自分も含め、多くの人が、大企業に勤めてそこで出世していくのがビジネスマンの王道、と考えていました。ところが、米国では自ら起業することが優れたビジネスマンの王道であり、自分で起業できない人が既存の大企業に勤めるという空気すらあった」(三木谷氏)。
そうした雰囲気の中に身を置いたことで、「自らも企業を立ち上げるのだという覚悟のようなものが育っていったのだと思います」と、三木谷氏は述懐する。

ベンチャー企業の成功には大義名分と、強固なビジネスモデルが不可欠

しかし、MBAを取得し、起業した全ての人が成功を掴んでいるわけではない。これについて三木谷氏は、「ベンチャー企業の成功には、強固なビジネスモデルと、ビジネスを推進するうえでのミッション、大義名分が不可欠だと思う」と、持論を述べる。

三木谷氏がエム・ディー・エムを設立した当時、「インターネット上にショッピングモールを作る」というビジネス自体は、大手企業が既に着手していた。ただ、いずれも充分な出店、集客は得られていなかったという。三木谷氏はそこで、「出店者やユーザーが使いやすいと感じる仕組みを構築すれば、絶対に成功するはず」と考え、以下のようなバリューチェーン(価値連鎖)を作り出そうと考えた。

出店者の店舗構築意欲が高まれば魅力的なコンテンツができ、魅力的なコンテンツが集まればショップへの来客数が増加する。来客数が増加すれば問い合わせや売り上げ、収益が増加し、収益が上がれば店舗構築意欲は益々高まる――。

楽天三木谷pict3三木谷氏は、オンラインショップ開設にかかる手続きや情報更新の煩雑さ、時間的・金銭的コストの大きさが店舗構築意欲を低下、引いてはこのバリューチェーン構築の障壁になっていると考え、情報更新が容易なソフトウェアの提供や出店費用の低価格化を行った。この考えが見事に当たり、現在、楽天市場への出店者は1万5000、流通総額(売買高を示す数値)は年間4000億円まで拡大している。 「ベンチャー企業に最も必要なのは、先を見通して仮説を立て、それを信じて実践していく力にあると思います。大切なのは、将来を予測し、早い段階からこれに対応するビジネスモデルを構築していくこと」と、三木谷氏は話す。加えて同氏が強調するのが、ミッションの重要性だ。ミッションとは、その企業が社会に対して、どのような価値を提供していくのかという根本的な使命のこと。楽天の場合、それはEmpowermentという言葉で言い表されるという。「中小企業の集合体をインターネット上に形成することで、小さな会社でも大きな会社と対等にビジネスを始められるような素地を作りたいと考えた。これからも中小企業のEmpowerの一助であり続けたい」と、三木谷氏は思いを語る。

ベンチャー企業の成功には大義名分と、強固なビジネスモデルが不可欠

しかし、MBAを取得し、起業した全ての人が成功を掴んでいるわけではない。これについて三木谷氏は、「ベンチャー企業の成功には、強固なビジネスモデルと、ビジネスを推進するうえでのミッション、大義名分が不可欠だと思う」と、持論を述べる。

三木谷氏がエム・ディー・エムを設立した当時、「インターネット上にショッピングモールを作る」というビジネス自体は、大手企業が既に着手していた。ただ、いずれも充分な出店、集客は得られていなかったという。三木谷氏はそこで、「出店者やユーザーが使いやすいと感じる仕組みを構築すれば、絶対に成功するはず」と考え、以下のようなバリューチェーン(価値連鎖)を作り出そうと考えた。

出店者の店舗構築意欲が高まれば魅力的なコンテンツができ、魅力的なコンテンツが集まればショップへの来客数が増加する。来客数が増加すれば問い合わせや売り上げ、収益が増加し、収益が上がれば店舗構築意欲は益々高まる――。

三木谷氏は、オンラインショップ開設にかかる手続きや情報更新の煩雑さ、時間的・金銭的コストの大きさが店舗構築意欲を低下、引いてはこのバリューチェーン構築の障壁になっていると考え、情報更新が容易なソフトウェアの提供や出店費用の低価格化を行った。この考えが見事に当たり、現在、楽天市場への出店者は1万5000、流通総額(売買高を示す数値)は年間4000億円まで拡大している。 「ベンチャー企業に最も必要なのは、先を見通して仮説を立て、それを信じて実践していく力にあると思います。大切なのは、将来を予測し、早い段階からこれに対応するビジネスモデルを構築していくこと」と、三木谷氏は話す。加えて同氏が強調するのが、ミッションの重要性だ。ミッションとは、その企業が社会に対して、どのような価値を提供していくのかという根本的な使命のこと。楽天の場合、それはEmpowermentという言葉で言い表されるという。「中小企業の集合体をインターネット上に形成することで、小さな会社でも大きな会社と対等にビジネスを始められるような素地を作りたいと考えた。これからも中小企業のEmpowerの一助であり続けたい」と、三木谷氏は思いを語る。

ゲストスピーカー

三木谷浩史氏 〔みきたに・ひろし:楽天株式会社代表取締役会長兼社長〕

楽天ロゴ 1988年:一橋大学商学部卒業
1988年:株式会社日本興業銀行入行
1993年:米国Harvard大学にてMBA取得
1996年:株式会社クリムゾングループ設立、代表取締役就任(現任)
1997年:株式会社エム・ディー・エム(現・楽天株式会社)設立、代表取締役就任
2003年:マイトリップ・ネット株式会社(現・楽天トラベル株式会社)代表取締役会長(現任)
2004年:株式会社クリムゾンフットボールクラブ代表取締役(現任)
2004年:株式会社楽天野球団オーナー兼代表取締役会長(現・取締役オーナー)就任